スフォルツェスコ城から地下鉄 M1でドゥオモ駅へ。
出口の階段を上がり、何となく迫るものを感じて振り返ると、真後ろに巨大なドゥオモが!!。
ミラノの象徴、ゴシック建築としては世界最大だそうです。
数え切れない尖塔が並び、くどい程豪華な聖堂でした。
(実際には135本あるらしい)
最初に建造が始まってから、今の姿になるまで500年!!。ずっと作っていたわけではないでしょうけど、日常的な時間軸じゃないですね。
概観の派手さに比べると、意外にもシンプルな内装。床の模様がかわいいです。でも、柱と柱の間に絵が掛かっているのはいまいちだと思います。
見所は、建物最後部にあるステンドグラスじゃないでしょうか。1枚ずつに物語が描かれています。
ドゥオモを出てすぐ左にあるのが、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア。
ガラス天井の商店街。商店街といってもブランドショップがたくさんあるので、高級感にあふれてます。
ガッレリアは十字架のような形、上の写真が交差する部分です。やっぱりおしゃれだなぁ。
交差部分の四つ角には、PRADAなどの高級ブランドに並んでマクドナルドが。
イタリア料理がつらくなっていたこともあって、何年かぶりでビックマックを食べてしまいました。
(日本で食べるのと同じ味。でも、店員さんが呑気さというか、もたもたしているあたりは日本と違います。)
ガッレリアの出口(?)側。今日は、ここを何度も往復することになりました。
ガッレリアを抜けたところには、憧れのミラノ・スカラ座。
今回の旅行で最大のイベントが、オペラ鑑賞です。
10年前のパリ旅行でバスティーユ・オペラを見られなかった苦い思い出があります。
(パリのときは、演目がお国物の「カルメン」、しかもプレミエ(新演出上演)ということで、すごい人気だったのが仇となり、チケットが取れなかったんです。)
出発前から、「今回こそは」という思いでチケットを予約しておきました。
(スカラ座のホームページから予約できます。)
ミラノには1日しかいないので演目を選べる状況ではありませんでしたが、この日の上演は、ドニゼッティ作曲「愛の妙薬」。欲を言えばヴェルディかプッチーニを見たかったけど、イタリアものなので満足、しかもローレン・ペリーによる新演出上演です!。
(パリのオペラ座、コヴェントガーデンのロイヤル・オペラとの共同制作)
指揮はドナート・レンツェッティ。よほどのオペラ好きでないと知らない名前ですが、スカラ座でのDVDなどがあり、オペラ指揮者としては有名な方です。
ただし、スカラ座での上演は夜の8時から。
大分歩き回ったので、いったんホテルへ戻ることにしました。
こちらは、ミラノでの宿泊先、スターホテル・スプレンディードの部屋。
変則的なレイアウトでちょっと過ごし辛い感じがしたかな。
困ったのがシャワー。浴槽がつかないタイプはローマ、フィレンツェを通じて初めて。
まぁそれは問題ないんですが、問題はお湯が出なかったこと。
部屋を変えてもらうことも考えましたが、語学力的に面倒だったのでそのままにしました。
このホテルの良さはロケーション。部屋の窓から見ると、目の前にミラノ・チェントラーレ駅があります。
2時間ほど休憩して、もう一度ドゥオモへ。
もう夕方、日が暮れかかったころです。
ガッレリアの中心では、上海万博の関連(?)で、ピアノの演奏中でした。
上演は8時からですが、とりあえずチケットの交換に。
当日の6時以降は、スカラ座の建物左側にあるチケットセンターで交換してもらいます。
(早く予約しているとチケット自体が郵送されるそうですが、今回はバウチャーを持参して交換。6時からと書いてあるのに、実際に交換が始まったのは6時30分。おおらかですね。)
このチケットセンター、場所がちょっとわかりにくい(正面から見て建物左奥)ので注意が必要です。
私の場合、うろうろしていたらダフ屋のおじさんが教えてくれました。
チケットは入手できましたが、上演開始にはまだ時間があります。
一度ガッレリアに戻って、簡単に食事とショッピング。
ただ、ガッレリアは観光客が多い分、何でも高いです。
もともと食事の高いイタリアですが、この中にあるお店はさらに高いですよ。
さぁ、夜も更け、いよいよ始まります。
開場を待っていると、イギリスから来たという老夫婦がチケットを見せながら「これで入れるかしら」と聞いてきました。どう見てもアジア人の私になんで質問したのかわかりませんが、「我々も初めてだけど、大丈夫だと思う」って答えたら、ほっとしたらしく開場までずっと話してました。
「最後の旅行のつもりでミラノへ来て、今日をすごく楽しみにしていたのよ」なんて話してくれて、つたない英語でも、話す勇気があれば出会いがあって楽しいもんだなぁと実感しました。
スカラ座内部のロビー。みなさん着飾ってます。
事前に調べたとき、「普段着ではまずいか?」というのが気になっていました。
Webで見る限りは必要、不要と意見が分かれていましたが、私の印象としては、「スーツじゃなくても入れるけど、結構気まずい」です。
ただ、これは席にもよります。最上部の立見席の観客は普段着でしたが、それ以外の席に着くなら、せめてジャケットとネクタイをしていないと肩身の狭い思いをします。
(逆に完全な正装は浮きます。年配の日本人集団が派手なドレスで浮いてしまい、かわいそうに見えました。)
あこがれのスカラ座だ!!
なんて煌びやかなんでしょう。感激です。
今回は、かなり奮発して6人部屋の個室を予約しました。
(1人130ユーロ位、予約にかかるフィーも入れると2人で300ユーロ位かかりました。高いです。でも、日本での引越し公演だとS席で1人6万円くらいしますから、それに比べれば…。)
6人部屋の最前列(ここは別料金でさらに高い)には、アメリカから来たというご夫婦。
「奥さんへのプレゼントなんだ」って旦那さんがうれしそうに言ってました。
我々を挟んで、後ろにはイタリア人の若い2人組み。こちらとはあまり話せませんでしたが、恥ずかしくなるくらい仲良くしてました。
部屋の入口。6人部屋といっても正直狭いです。演目が始まってしまうと入れなくなってしまいます。
お客さんがそろってきました。開演間近。
上の写真は、第1幕が終わったところ。
ここで20分ほど休憩になります。
部屋を出たところ。こんな感じで部屋が並んでいて、案内員にチケットを見せると誘導してくれます。
休憩中は皆さんロビーに集まってました。
ここでちょっとお酒を飲んで第2幕へ。
シャンデリアも豪華。
上演終了。写真はカーテンコールの様子。
「愛の妙薬」は、ごく簡単に書くと…、
「アディーナに恋するネモリーノだったが、アディーナは振り向かずに軍人ベルコーレのアタックに傾いてしまう。さらに、ベルコーレが戦争に行くことになり、急遽結婚式をあげることになってしまった。そこでネモリーノは、ヤブ医者から買った惚れ薬(妙薬。本当はただのワイン)を飲んでアディーナが振り向いてくれることを期待する。一方、アディーナはベルコーレとの結婚が迫ると考えを改め、やっぱりネモリーノが好きなんだと気づき、ネモリーノに気持ちを打ち明ける。タイミングがあったため、妙薬の効果だということになってヤブ医者が賞賛され、アディーナとネモリーノも無事に結ばれて終幕」という喜歌劇です。
感想としては、アディーナ役のイリーナ・ルングは綺麗な声。でも、もっと"おてんば"な感じがあったらなぁ・・・。ネモリーノ役のフランチェスコ・デムーロも清潔感のあるテノール。声量は物足りなかったけど、か弱い青年役にはとてもあっていたと思います。
(予習にパヴァロッティが歌うネモリーノを聞いていたからかもしれません。役のイメージからするとパヴァロッティは堂々としすぎている。)
ちなみに、フランチェスコ・デムーロは、この公演がスカラ座への正式デビューだそうです。
高かったけど、見られて本当によかった。
スカラ座を出たのは11時前。さすがにガッレリアのお店はすべて閉まってました。
昼、夕方と見てきたドゥオモ。夜は広場も静かです。
地下鉄でミラノ・チェントラーレ駅へ。終電近くなので誰もいませんでした。
閉演直後はタクシーを捕まえるのが結構大変です。夜の地下鉄は危ないかもしれないと思いましたが、ほどほどに混んでますし、過剰に心配しなくても大丈夫そうでした。
これで観光は全部終了。明日の帰国を待つだけになりました。
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