2012/03/03

Onoto Magna Classic Stripe F

先に限定インクのことを書いた丸善日本橋店の第3回 世界の万年筆展で、私にとっては大きな買い物をしました。オノト マグナ クラシックの復刻版です。

オノト と言えば、夏目漱石が使っていた万年筆として有名です。「余と万年筆」の中に丸善で売られている万年筆のことを聞くやり取りが出てきます。丸善がこの万年筆を扱うのはその縁からなんでしょうね。昨年も同製品の波模様が入ったモデルが出ていましたし、140周年記念の夏目漱石モデル(こちらは国産)というのもありました(確か3本限定で140万円!!)。

この万年筆、Webサイトでの告知で見たときにちょっと興味を持っていたんですが、買うつもりではありませんでした。 で、実物を見たらなんとも渋くて格好良く見えてしまい、50本限定の響きにつられて買ってしまいました。

このペンのオリジナルは1937年に発売されたそうです。当時この万年筆を作っていたのはイギリスにあるデ・ラ・ルーという会社、 この会社は今でも創業当時のまま印刷機器のメーカーとして活動しているようですが、万年筆の製造は1958年に中止したと書かれていました。現在の The Onoto Pen Company Limited は、違う方が2004年に復活させた別会社とのことです。

一応、限定以外にも気に入った点はあるわけで、いくつか紹介します。
単純に白いストライプが入っているだけでなく、黒とグレーのマーブルが交互になっています(ちょっとわかりにくいですかね)。とても地味な配色なんですが、なかなか渋いデザインです。

クリップの画像です。オノトのロゴが入っています。

で、クリップとキャップリングの部分はスターリングシルバーです。かなり控えめですが証明の刻印もついています。メッキとは違う鈍い光り方がいい感じです。

天冠にもオノトのブランドロゴ、歴史ある万年筆メーカーのロゴとしては斬新ですよね。

50本限定の証は尻軸に刻印されています。これはNo.10、キリの良いナンバーを買えました。

大型の18金ニブ、"7"というのは号数ですかね。最初に店員さんに聞いたときには、初日の夜7時頃というのに、もうMしか残っていないということでした。多くは予約なんでしょうけど人気あるんですね。

試筆させてもらった印象は「適度に固めで悪くないけど結構線が太いな」という感じ。ペンポイントがちょっと手前側にある気がしたこともあって諦めるかと思っていたら、キャンセルになったFが1本ありましたということで、別の1本持ってきてくれました。
それを書かせてもらったら線の太さやインクが出る位置も好みとぴったり、せっかくだからと思ってしまった次第です。

相手をしてもらった店員さんはベテランと思われる女性の方です。ここで買い物をするときは、なるべくこの方に声をかけるようにしています。対応がとても丁寧で、知識も豊富、薦め方も上手ですし、購入を決めた後もペン先をルーペで確認して問題ないかチェックしてくれるなど、気持ちよく買い物ができます。 伊東屋より丸善が好きな理由は接客のせいかもしれません(伊東屋の接客も十分丁寧なんですけどね。丸善はより"百貨店"的な感じがします)。

豪華なケース。中央のプレートにも50本限定だと書かれています。
 
まだちゃんと見ていませんが、中には、説明書の他にシールやらなにやらがたくさん入っています。

勢いあまって買ってしまった感はあるものの、いろいろなメーカーの万年筆を使ってみたいと思って収集しているので、初めてのオノトは良い買い物でした。

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