2010/10/24

2. ローマ 1日目 ①バチカン美術館へ

ローマ1日目です。ホテルはアンブラ・パラス、テルミニ駅から徒歩10分くらいのところです。


この辺りはインド系、中国系の店が多いと聞いていて、確かに多かったです。
治安が悪いという人もいましたが、小さなスーパーで買い物をする限りは親切なお店ばかりでした。
そして、最寄駅はB線のヴィットリオ・エマヌエーレ駅(徒歩1分くらい)です。
(ローマの地下鉄はA線、B線のみ。近くC線、D線も開通予定とか。)

ミラノもそうですが、イタリアの地下鉄はホームから通路からすべてが暗い。慣れるまでは怖いです。東京に比べてしまうと、街中でさえ夜は暗いです。

チケットはタバコ屋などで買うのが普通らしいのですが、最初は自動券売機で購入。
日本の券売機とはかなり勝手が違います。観光都市らしく、1回きりの券以外に1週間使える券など種類は多いのですが、1回券はどこまでも1€。バスなどにも同じ切符で乗れます。
(ここでは1回券(下の写真 裏面)を購入。英文に切り替えもできるので何とかなると思います。)



さて、最初の目的地はバチカン美術館。最寄駅のオッタヴィアーノ駅を降ります。
地上へ出ると十字路、勘で歩いていくと、それらしき建物が見えました。


近づくにつれて「間違いない」と確信しましたが、すでに行列が…。

混むとは聞いていましたが、まだ8時過ぎなのに200m位並んでる。
チケット予約しておいて正解でした。

行列をたどっていくと、入口らしきものが。でも、写真の門は出口らしく、左手に入口があります。
係の方にバウチャーを見せると、「行け」とのこと、まったく並ばずに入れました。

(入場時にはセキュリティゲートあり。さらに、ゲートをくぐってからがちょっと難しい。ひとつ階を上がったところにボックスオフィスらしきものが並んでいますが、客いないし、職員もやる気なさげ。でも、このボックスでバウチャーを見せないとチケットをくれないのです。)

ちなみに上の写真がチケット。署名の間にある「アテネの学堂」が書かれてます。
入口改札を抜けてエレベーターをあがると、いよいよ本陣です。

まずは大きな広場(ビーニャの中庭)に出ます。

これがピーニャ=松ぼっくり。
ここからどう回るか、ひとそれぞれですが、何しろ広い。正確にはいくつもの美術館やギャラリーの集合体だそうですが、写真を撮った順にのせていきます。
(絵画館(ピナコテラ)は写真なし。撮って良いのかわからなかったので遠慮したんですが、OKだったみたい。)

まずは、ピオ・クレメンティーノ美術館にある八角形の中庭から。
それぞれのアーチの下に彫像が置かれていますが、中でも有名なのが「ラオコーン」。

折れていた右手の形について紆余曲折があり、現在はオリジナルがついているらしいです。
最初の復元では、右手が伸びていたそうです。
(どこかの美術館で右手が伸びたラオコーンを見たような気がします。)

次は円形の間。巨大な鉢と金箔を張ったヘラクレス像、そして「セント・ヘレナの石棺」(写真下)があります。

 (こちらがセント・ヘレナの石棺)

グレゴリアーノ・エトルリア美術館あたりで最初の休憩、外の眺めです。

下の写真は古代彫刻が並ぶ燭台のギャラリー。

私自身は下の赤ちゃん像が好きでした。

タペストリーのギャラリー。日焼けするからなのか、このギャラリーはカーテンを閉めて暗くしてあり、フラッシュ禁止と書いてあります。

ここにある一番大きなタペストリー、「キリストの復活」

そして、地図のギャラリー。側面の地図より天井に目がくらみます。

 地図のギャラリーの出口にバチカン市国の紋章があります。

地図のギャラリーを抜けるとソビエスキ王の間。

無原罪のお宿りの間。マリアの懐胎が公認された場面だそうです。

この部屋は天井も豪華。

そしてここからは有名なラファエロの間。全部で4部屋あります。
無原罪のお宿りの間から入ると、最初はボルゴの火災の間(第4室)。下写真の右下に見えるのが「ボルゴの火災」。当然ながらラファエロ作と思いきや、ラファエロが書いたのは構図で実際に書いたのは弟子たちだそうです。

ここで外の通路に出ます。混雑緩和のために専用通路を増設しているらしいです。

通路を抜けると、今度は第1室 コンスタンティーノの間。ここのフレスコ画は渋い色目で「ミルヴィオ橋の戦い」、ラファエロの弟子、ロマーノ作です。

次は第2室 エリオドロスの間。有名な「聖ペトロの救出」があります。鉄格子の奥で輝く天使という構図が神秘的です。

部屋はこんな感じの出入口になっています。出入口上のフレスコ画は「大教皇レオとアッティラの会談」。

そして、第3室 署名の間。一番期待していた部屋です。
なんといっても有名な「アテネの学堂」。バチカン美術館のチケットにプリントされている絵です。

中央のプラトン(ダ・ヴィンチがモデル)とアリストテレスの他、ユークリッド(ブラマンテがモデル)やピタゴラスなど、過去の偉大な学者が総動員されています。

システィーナ礼拝堂を見て感動したラファエロが書き足したという、ミケランジェロがモデルのヘラクレイトス。下絵には無いそうです。

ちょっとわかりにくいですが、この絵には偉人に並んでラファエロ自身も描かれています。
(写真中央の黒髪の青年がラファエロ。他の美術館にある自画像も見ましたが、美青年だったんですね。)

署名の間にはもうひとつ有名なフレスコ画があります。アテネの学堂の向かいにある「聖体の論議」(このタイトルはヴァザーリがつけたそうですが、公式ガイドには「宗教の勝利」とするのがより適切だと書かれています。)

絵の上方が勝利の教会、キリストの左右にマリアと洗礼者ヨハネ。周辺に聖人が並んでいます。
また、下左側にはフラ・アンジェリコやブラマンテ、右側にはダンテも描かれています。

最後に第4室 ボルゴの火災の間へ戻ります。

この部屋は天井画もすばらしいです。アーチ型の天井に描かれているこちらは、ラファエロの師匠であるペルジーノの作品。

最後を飾るのが「レオ3世のカール大帝への授冠」。

最後に見たシスティーナ礼拝堂と並ぶ見所でした。
ここからは意外にも現代キリスト教美術コレクションに行きました。

なんと、吾妻兼治郎という日本人の作品もありました。ミラノ在住の彫刻家だそうです。

この後、システィーナ礼拝堂へ行ってきました。ミケランジェロの「最後の審判」があります。その他、天井には「太陽と月の創造」「アダムの創造」「デルフォイの巫女」など、見たことのある絵がひとつの部屋に盛りだくさん。
さらに、ボッティチェリやペルジーノ、ギルランダイオ、ロッセッリなどの壁画も目白押しです。

ただし、ここは撮影不可。たくましくも撮影する外国人がたくさんいて、あちこちで注意されていました。

ここで一旦外へ。雲は厚いですが、何とか雨は避けられています。

バチカン市国の衛兵(?)が、訓練している(?)場面も見れました。

バチカン美術館はこれで終了。入館から3時間半くらいだったでしょうか。
時間をかけようと思えば際限なくできそうですが、1日で見るには適当な時間だったと思います。
イタリアの美術館の多くは宗教画やギリシャ神話に基づく彫刻です。なので、描かれている人物や背景などを事前に予習しておかないと、同じ題材の作品も多いのでつまらなくなってしまいます。
今回は出発前にある程度勉強したので、多少が理解しながら見れたかな。

さて、次はサン・ピエトロ大聖堂へ向かいます。

そして、サン・ピエトロ大聖堂見学からローマの街中へ歩いていきます。

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